華

「なんもない」「だけど少し今も 夢を見てる」というあまりにもリアルな歌詞と露出度の高いビジュアル・ワークが衝撃的だったデビュー曲「カレーライスの女」からスタートする1stアルバム。R&B、ロック、70年代っぽいフォーク・ソングとバラエティに富んだ楽曲から見えてくるのは、“平凡な女の子が、いろんな挫折を経験しながらも、自分の夢をつかむためにがんばる”というイメージの泥臭いストーリー。つまり本作は、彼女が歌手としてのポジションを手にれるまでのドキュメンタリーなのだと思う。リアリティありありの歌いっぷりもすごい。
美麗写真集を眺めつつ、さまざまに表情を変えるヴォーカルにも、ソニン自身とリンクする歌詞世界にも、しだいに感情移入してしまう……最近のつんく♂プロデュース作品中、ひときわ出色の出来。ソニンの苦難続きの日々と、それに隠れてしまっていた表現力が結晶化した傑作。

1. カレーライスの女
2. 東京ミッドナイト ロンリネス
3. 好きな人だから
4. Hello! 新しい私(ソニンVersion)
5. 国領
6. 津軽海峡の女
7. 奮起せよ!
8. 平凡的女子な条件
9. WINTER - 寒い季節の物語 -
10. SEE YOU!